その3A


脱衣所で身体をバスタオルで拭きながら、たくやはある決心をしていた。 …やはり、覗いてたんだ… 風呂場でオナニーをしてしまったのは、これから宮村先生を誘惑しなければという思い等から興奮した心を 抑えられなかったからなのだが、扉の音を聞いた時、一瞬手は止まっていた。 もし、自分が思っている先生なら、なにかしかの理由で開けたはずである。しかし先生は入ってこなかった… 背中に隙間から入ってくる風を感じながら、何かしら声を掛けてくる宮村を待った自分だったが、いつまでも そのままその場に立つ先生… そしてたくやはいつのまにか、股間に添えた手を再び動かし、宮村に覗かれながら絶頂に達したのである。 やはり…先生も男…あんな真面目な事を言っていても、相手が教え子でもそんな気になるんだ。…もう迷う事 はない。今はただ、早く抱いてもらいたい。もうこのヤらしい身体は自分で慰めるだけでは満足できないんだ。 …早く、早く… 相原は、僕の名前を確かに呼んでいた…そう『宮村先生…』確かに云った。 僕の名前を呼んでイった。それは、僕のことを思い浮かべてオナニーしていたという事だ。 相原…君が元男だろうがそんな事は関係ない…今の君に惚れてしまったようだ。僕は、教師失格のようだ… それでも構わない。もうそんな事はどうでもいい。 ガチャ――脱衣所から出てくる相原。スウェット姿で頭にタオルを巻いている。そしてテーブルのところま で来るとそれまでは反対側に座っていたのに、僕の隣に枝垂れかかってきた… 「センセ…見てた…でしょ?」「……」判っていたのか… 「じゃあ、最後まで見てた、よね…聞いたでしょ…あたしが誰を思い浮かべてたか…」 ガバッ「きゃ!?」無言で相原を押し倒す。強引に唇を奪う。 「うむ!?う、う…はむ、れろっ」驚いて撥ね退けようとする相原だったがすぐに諦め僕の舌を受け入れる。 服の上から胸を弄る。すぐに上からでも判るぐらいに乳首が立つ。もどかしくて服を脱がす。あお向けなのに こんなに…すぐにその乳房に顔を埋める。 「や、やん、イタ、いぃ」「す、すまん」「…謝らないで…こっちも触って」 相原が俺の手を取り股間に添える。そこはもう愛液でぐっしょりになっていた… 「僕を思って…こんなになっていたのかい?」黙って頷く相原。 「これなら…もういいかな。…あっ、ちょっと待ってて」そう云って机へ向かう。確かゴムがあるはず…あ った! 「先生、ゴム、いらないです」「そうはいかないよ。少なくても君が卒業するまで、間違いがあったらイケ ナイからね」「…」 「いくよ」「はい」 ふん!「あぁああん」 は、入ったぁ〜。うあ、こ、こんなの、女性のここってこんなに凄いのか。今までの女性と全然違う。気持 ちいい。いいよ、相原。 「あ、あ、あ、」「いい、いいよ、相原。こんなの先生、初めてだ」 「あ、うん、あたしも、気持ち、いいよぉ」「あ、相原、僕、もう」 「センセ!?もっとぉ、まだ、してぇ」 「うぐ」我慢…しろ…まだ、相原が…だ、だめだ。 「す、すまん、出る、出るぞぉ、相原ぁ」「あ、あ、ああん…」 うぅ…こんな、出てしまった…良かった…気持ち良かったよ、相原。…相原? 「良かったよ、相原。先生…お前に惚れてしまったみたいだ。あの三人に説教しておきながら、翌日にこんな 事してしまって。すまないと思ってるけど、でも…ん?泣いてるのか、相原?」 「ううん、違います…センセ、ありがと」 俯いていた相原はすっくと立ち上がり下着に手を伸ばす 「相原…?」 「先生に抱いてもらって…嬉しかった。…もう帰ります」 「待て!送ってくよ、こんな時間…」 「いいの、大丈夫です。バス停からウチすぐですから」「じゃあバス停まで」 「先生、気にしないで…ほんとに大丈夫ですから。明日学校で、ね」 「…気をつけて帰れよ、相原!」「はい、さよなら、先生…」 部屋を出て行く相原。結局…絵なんか見なかったけど。コレが目的だったのか? でも…良かったよ、相原。僕は…本気になったみたいだ。 携帯の呼び出し音が聞こえている…バス停から電話している相手は三人組の佐藤だ。 「…もしもし、たくやちゃん?」「うん」 「どうしたの、こんな時間に?珍しいし、ヤバいんじゃないの?」 「…他の二人に連絡取れる?」「あぁ、あいつらなら今俺の部屋にいるよ。大抵誰かの家で遊んでるんだ、俺 達」「どっかこれから四人だけで会えるトコ知らない?」 「…それどういう意味?今、俺のウチ誰もいないけど」「佐藤くん家ってドコ?行ってもイイよね?」「もち ろん俺達は大歓迎さ…――町の交差点のコンビニわかる?」 「うん」「そこに来て。向いに行くから…どの位でこれる?」「30分くらい」 「OK!待ってるよ、たくやちゃん」プツ… 「お待たせ…」「いや、全然待ってないよ、なあ」「そうそう」「うん」 「たくやちゃんの呼び出しなら何時間だって待っちゃうよ」鈴木がおちゃらけた感じで云う。 「…早く行こう」「あ?あぁ、そだね行こうか」「いや〜なんか興奮しちゃうな」「鈴木、声大きいよ」 「ごめん、ごめん」 がやがや騒ぎながら歩き出す三人。その後ろをたくやは黙ってついて行った。 「ここ?」「そう。今日父親の親戚の葬儀でさ。両親とも明後日まで帰ってこないんだ」 「そう…」「…こっちが俺の部屋なんだ。どうぞ」 雑然とした…この年頃の男の子らしい部屋。ゲームソフトがTVの前に散らばり、ジュースとお菓子がテー ブルの上にいっぱい置いてある。 「で、どうしたのさ。たくやちゃん…何か話あるんでしょ?」 「違うよ、佐藤。俺達に抱かれたいんだよなぁ。たくやちゃん」 「ちょっと黙ってろよ、鈴木」珍しく佐藤にキツく云われシュンとする鈴木。 その様子を見ながら、たくやは胸ポケットからレコーダーを取り出した。 「…これ」「…明日で良かったのに。これから毎日なんだしさ」 「あたしの負け」「え?」「あたしの負け。今日からあなたたちの奴隷よ」 「ほんとかよ!」「ほんとに?」鈴木と田中が声を上げる。 「やったぁ!すげえよ、佐藤!お前の云う通りだ!まさか1日でこうなるとはな!」 「…たくやちゃんはほんとにそれでいいの?」黙って聞いていた佐藤が尋ねる。 「な!何云ってんのよ。これはそっちから云いだした事じゃないの!」 「そうだよ佐藤!いまさら何云ってんだよ。これは賭けなんだぜ。負け逃げは許さないよ」 「宮村と何があった?」そう佐藤が尋ねると俯くたくや。うっすら目に涙も見える。 「何か、きっかけを、って思って…先生の絵を見たい、って嘘ついて、先生の家に行って…途中雨に降られ て…二人共濡れちゃって…お風呂借りたの…」「…」三人は黙って聞いている。 「途中でこの身体…Hな身体が我慢出来なくて…お風呂場で、一人で」 「オナニー!?やるなぁ〜たくやちゃん」「うるさいよ鈴木くん」「…」おとなしい田中に怒られてムっと する鈴木。 「そしたら…扉が開いて…覗いてた」「え?」「間違いなく覗いてた…先生、あたしがイクまでずっと見てた」「……」 「で、お風呂出て、黙った先生の隣に座ったの。そしたら先生あたしに覆い被さった…で、セックス…」 「どう?奴は激しいタイプ?」懲りずに鈴木が茶々を入れる。だがたくやはそれに答えた。 「ダメ…自分だけさっさとイっちゃって…良かったよ、って…こっちは全然、良くないよ。欲求不満になっ ちゃうよ…」 「それで電話してきたんだ。俺達に慰めてもらおうって」 「…あたし、なんか勘違いしてたみたい。あの真面目な先生に抱かれたら…幸せな気分になれるかもって… いままでのように快感を貪るだけのセックスなんて空しいだけじゃないかって…でも」 「でも?」佐藤が聞き直す。 「三人としてた時の方がとても良かった。気持ちいいし、何もかも忘れて快感にのめり込めた。女になって 良かったって思えた。快感を貪るだけだっていい!だって、H好きだから…」 「たくやちゃん…」三人はややあっけにとられながらもたくやを見つめている。 「無茶苦茶にして!あたしもう我慢できないの!みんなの好きなようにして!」 三人に向かってたくやは叫んでいた…


その4@へ