第20話


私が入った瞬間、いっせいに視線が集まってきました。 それは、子供用のジャングル風呂でした。 ヤクザの女性は、かわらずバスタオルを巻いています。 そして私は、やはりハンドタオル一枚で、その中につれて来られました。 「ま、ずっとサウナってのも面白くないじゃない? せっかく旅行に来たんで しょ? 今日中に、全部のお風呂入っておいた方がトクよ?」 その言葉に、私は従わないわけにはいきませんでした。 何より女子中学生たちの好奇の目にさらされたまま辱めを受けるより、とにか くその場を逃げ出したかったというのが、本音でした。 「か…彼は…?」 私の言葉に、女性にニヤニヤしながら、失神した彼のことを見つめながら言い ました。 「まぁ、あとは色々とかわいがってもらえるんじゃない?」 そう言われては、もうそれ以上追求はできませんでした。 私が今入ってきたジャングル風呂は、かなり大きなもの。 まず周囲に草木が生えており、その中に大きな温泉があります。 温泉には少し大きめのすべり台なども設置されており、子供たちがたくさん遊 んでいます。 しかし全盛期には人気があったかもしれませんが、今はやや色がくすみ、さび れ、少しだけカビのようなニオイまでしました。 子供は喜んで遊びますが、大人はちょっと遠慮したいような、そんな雰囲気の 施設です。 そのためか、その場にいるのは、ほとんどが「父親と子供」という組み合わせ でした。 母親は美容効果のある、もっと新しい温泉に入っているのかもしれません。 私が入った瞬間、全員の目が集中しました。 中には10人ほどの子供、そして同じくらいの数の父親と思われる年配の男性が おり、みんな口をあんぐりと開けて、私たちのことを見ました。 実際に混浴ではありますが、女性が入るのはとても珍しいのではないでしょう か。 それもあってか、母親もより入りたいとは思えないため、父親に子供の世話を 頼んでいるのかもしれません。 すなわち、まさに男風呂と変わりありません。 そこに私は、ハンドタオル一枚で入らされたのです。 先ほどのサウナでの男子中学生たちの反応は、まさに性的な興奮でしたが、子 供たちの反応はまさに「好奇の目」という感じでした。 加えて父親たちからは、子供の手前かハッキリと見ることのできない、おさえ た性的な視線が向けられました。 少しすえたニオイのするジャングル風呂の熱気に加えて、父親たちのちょっと した熱気。 私はさらに足を進めるのがためらわれましたが、もちろんそれは許されません。 私は二人に先導されるように、たくさんあるお風呂のひとつである、五右衛門 風呂のような、小さな湯船に連れて行かれました。 「ほら、入ろうか?」 彼女たちはそういいながら、中に入ります。 それは直径2メートルくらいの、円形のお風呂。 湯船が置いてある形ですので、入るためには、腰の高さまで足を持ち上げなけ ればいけません。 その中ではすでに、二人の男の子が遊んでいました。 一応、その湯船は周囲から隔離された空間にあり、私たちの声や姿は、その子 供とたち以外には届かないようでした。 私は覚悟を決めて、そこに入ろうとしました。 そのときです。 女性は言いました。 「タオル、あそこにかけておくみたいよ?」 その指の先には、背広かけのような、枝がありました。 おそらく「かけておけ」という意味でしょう。 でもそれをしたら、私は全裸になってしまいます。 女性はバスタオルを巻いて入っていますが、それを指摘できるわけもありませ ん。 私は覚悟を決めて、タオルをそこにかけました。 その瞬間、「あっ!」という声が、子供からあがりました。 子供たちは、息をのんで私の体を見ています。 やめて。見ないで。 私は心からそう思いました。 「…おっぱいだ…」 そんな声も、響いたように感じます。 するとヤクザの女性が言いました。 「あら、僕たち興味があるのかも…?」 「ほら、今からお姉さんが、一緒に混浴してくれるよ♪」 そしてふたりは私にうながします。 「お風呂は裸で入るものだから、隠す必要もないんだよね♪」 「そうそう♪」 「隠すな」という意味でしょう。 私はしかたなく、手を湯船にかけました。 そして入るためには、足を上げなければいけません。 「ほーら♪」 「寒いよー。はやく入ろうよー」 私は、しかたなく、右足をあげて、湯船に入れました。 正面には、子供二人がいます。 もちろん、私の股間は大きく開かれます。 隠すことも許されません。 子供はその瞬間、信じられないものを見たかのように固まりました。 「あらあら…。具が見えちゃったんじゃない?」 「子供って、子供は、大人の女のそれを見ると、何か認識できないからねぇ…」 私の顔が思わず真っ赤に染まります。 「やっ…」 思わず出ようとしますが、手をぐっとおさえられ、それは許されません。 私は、何てことをしているんだろう。 子供に、自分から見せつけている状況の情けなさに、涙があふれてきました。 すぐにもう一方の足を入れようとしました。 そのとき、女性は言ったのです。 「あ、ちょっと止まって? 何かついてるよ?」 「あ、本当だー」 そして彼女は、私のフトモモを触り始めました。 何もついていないことは明白です。 ただ私のこのポーズを、子供に見せつけさせるためにやっているのです。 「毛玉、ついてない?」 「動かないでね?」 そしてそのまま、ふたりは私のあの部分の毛を触り始めました。 一本一本、確かめるように、引っ張ります。 私は、足を開いたまま、動かすことができません。 子供の視線は、もちろんそこにずっと注がれています。 「いいです…。もういいです…。お願いだから…」 私は思わず、口にしてしまいました。 「お願いだから…。もういいですから…」 すると女性は言いました。 「なーにー? 私たちが親切でやってるのに?」 「ひどいよねぇ」 「ごめんなさい…。ごめんなさい…」 私はすぐに謝ります。 すると女性は、私のあの毛に、ぐっと手を掛けました。 「それっ!」 「ぎゃっ!」 毛が、何本かまとめて抜かれます。 私はあまりの痛みに、あそこを押さえました。 「取れたよ♪」 「そろそろ入っていいんじゃない?」 私はその言葉に、涙を流しながら、中に入りました。 痛みに耐えながら、すぐに湯船の中に体を沈めます。 子供は残像がずっと残っているかのように、ただ私の方を見つめていました。 湯船はそれほど大きくありません。 私と女性二人、そして子供が二人で、かなり密度は高くなっていました。 「ね、誰と来たの?」 女性は子供に話しかけます。 子供たちはしばらく呆然としていましたが、あわてて言いました。 「お、おとうさん…」 「そう♪」 すると女性は、ニヤリと笑って言いました。 「ね、きみたち、おっぱい好き?」 <つづく>


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