第72話「パーツの罰を攻略せよ」


 パーツの罰のレベルアップ2日目。  早朝ランニングを終えた男子たちは、登校の準備をしながら昨日の罰を 頭に思い浮かべていた。 「ちくしょぉ〜。くぱあには間違いないが、ただのピンクの固まりだよな」  そう、股間パーツでくぱあっぽいのが見えて、それなりに満足はしたが、 どうにも白色光に邪魔されて残念で仕方がない。 「俺たちが一晩中考えた知恵のどれかで..何とか出来るはず!」と、そ れぞれが考えた必中の見をまとめ上げ、すぐに家を飛び出した。  そう、まだ朝の空気が冷たい時間帯の教室に男子たちが次々、登校して きた。 「おはよう!今日の俺は一味違うぜ」パチパチ  教室に入るなり、まばたきを必要以上にしていた向井が元気よく声を上 げる。何人かの男子は心の中で<またバカなこと考えたな>と思った。 「ふっ、向井お前もか!まあ、俺のは見てのお楽しみさ」カチャ  どう見てもサングラスを着けてるのがバレバレの宮本だった。 「おはよう、みんな。今日は我が工作部の作品が輝く日であろう」  大きなヘッドオンをしてきた深野に男子たちが仕組みを聞くと、どうや ら白色光を感知して音が出る特殊なヘッドオンらしい。  本人は至って真剣なので、ここは結果を待つことにしよう。 「おはよう..対策は完璧さ」「って、お前は目薬つけろ!目真っ赤だぞ」 「おはよう!俺は心眼に目覚めたぜ」「いや、目隠ししてるだけだろ!」  次々と色んなアイデアを披露し、いざ挑戦と罰の始まるのを待っていた が、登校してきた女子たちに失笑されてしまった。 「そ、それ、もしかして例の股間のパーツ対策?」 「うむ!よくぞ聞いてくれた!」  自信たっぷりに説明をする男子に女子たちが肩を震わせ、笑いを抑えら れなくなっていた。 「やばい、朝から腹痛い!それ、一晩中考えてたの?」 「ちょ、心眼って何それ!やばい、無理無理!」 「工作部のヘッドオンって、無意味だから!ははは、やめてお腹痛い!  女子たちは腹を抱えて笑い出し、遅れて来た葉須香も口を押さえて肩を 震わせていた。 「葉須香ちゃんまでひどいぜ」「ご、ごめんね」  今日も葉須香は忘れ物をしたらしく、皆がいつも通りになったのを見て 服を脱ぎ始めた。  どうやら葉須香は、まだ笑いの余韻が抜けきれない中、全裸起立になっ ても肩を震わせていた。  そんな葉須香に相崎が不意に小声で耳打ちしてきた。 「拙者、心眼でござる、ニン」  葉須香は一瞬ピクリと反応し、何とか笑いを堪えようと必死に口を押さ えたが、こらえきれず、「ぶふっ!」と噴き出してしまった。 「ご、ごめんなさい」  葉須香が顔を机に突っ伏して肩を震わせながら必死に笑いを抑えようと する。  本来だと男子が怒るところだが、無防備にお尻を突き出して、笑う葉須 香の姿に、皆「ナイス!」と相崎に満面の笑みを浮かべ、勢いよく指を突 き出した。  こうして、男子たちの股間パーツへの秘策が始まった。今日の戦艦は富 士型戦艦の2番艦の八島が見事に再現された。  ※ちなみに富士も八島も実際の艦これではまだ実装していません。 「今日は八島かよ。許奇の奴、楽しんで用意してるよな」「ああ」 「パーツが取れる様もエロくて良いが、メインは白色光だな!」  今日もくしゃみでパーツが落ちていく中で、まず向井が自信たっぷりに 白色光の点滅に合わせてまばたきをした。 「タイミングを見極めて、目を閉じ、開ける!それが極意っ!」  結果は言わずと知れた玉砕だ。 「ちっちっちっ、この二重遮光したサングラスの前では白色光は無意味っ!」  実際は暗くなりすぎて、見えないだけの結果だ。 「愚かだね。このヘッドオンで目じゃなく耳で観てやるぜ」  そもそも音で反応する方が難しく、これで見れるわけがない。  あと、心眼は女子たちを爆笑させるだけのものだった。  終業のチャイムが鳴り響く頃、男子たちの愚かな作戦は出しつくし、全 て失敗に終わった。  結果として、女子たちの爆笑を起こしただけに過ぎなかったのだ。 「結局、くしゃみはパーツを落とすだけのものでいいのか…」 「ああ、まさかの心眼が攻略のヒントとなるとは」 「いや、笑っても股間パーツが反応するとはな..そっちの方が長いし」  そう、葉須香を笑わせても股間パーツが開き、くしゃみよりも長く開い ていたのだ。 「でも、こうやって無駄なことを真剣にやるのも楽しくねーか?」 「そうだな、明日こそは、ピンクの固まりから先に進もうぜ!」 「よし、俺たちで葉須香ちゃんを笑わせる方法を考えるんだ!」 「ああ、葉須香ちゃんのツボを探ろう!」  その言葉に、男子たちが笑いながらうなずいた。  葉須香が笑うツボを探して更なる挑戦が続くのであった。  翌日の早朝、ランニングをしながら、作戦を話し合っていた。 「そういえば、去年文化祭で着ぐるみの面白犬を見て笑ってたな」 「そりゃいいな!着ぐるみは鉄板かも。他には?」 「意外と、変なギャグ漫画も読んでたぞ。あれ、ギャグがシュールだった けど」 「なるほど、シュール系の笑いもアリか..」  ランニングを終えた頃には、笑いのネタが決まり、急いで準備をして家 を飛び出した。  今日も早く登校した男子たちは、準備に余念がない。それぞれ自分が考 えた必笑ネタを隠し持ち、こそこそと話し合っていた。 「許奇の許可も取ったぜ。程々なものだったら、問題ないそうだ」 「あとは股間パーツをどれぐらい長く開かせるかだ」 「今日こそ見てやるぞ!」「おおっ」  今日もこうして、男子たちの股間パーツへの秘策が始まる。ちなみに戦 艦パーツの方は敷島型戦艦3番艦の初瀬だった。 「日本海軍の初期の戦艦型とは..許奇なかなか良いとこ攻めたな」 「さあ、俺たちも本気出していくぜ!」  予想通り、くしゃみより、笑わせた方が股間パーツの正面が長く開くよ うになっており、笑いのツボに入った葉須香の恥丘が勢いよく「くぱっ」 と開いた。  だが、同時に眩しいピンクのライトが激しく点灯した。 「こういうパタンもあるのかよ」「うおっ! まぶしい!」  目を細めながら、男子たちはくぱあを見ようと必死だった。  しかし、ライトの色と同じピンクで、ただのピンクの固まりしか見えな い。 「長めに開いてもこれじゃ意味ねーぞ!」 「ピンクしか見えないぞ!」「ずるい」  男子たちの声がざわつく中、ライトが急に白色光に切り替わった。  勝機が訪れたと男子たちの目が輝く。ピンクしか見えないが、これはま さしく、葉須香のくぱあの色である。 「よしっ!これならいける!」「俺は絶対見る!」  だが、白色光は非常に強力で、くぱあの細部を全て消し去るように光を 拡散させていた。 「やべぇ、目がチカチカする!」 「ちょっと待て!何回かライトが消えてなかったか?」 「そうなのか!やはりまばたきを合わせねーと」  しかし、ついつい見続けてしまうので、ライトが消えている1秒のチャ ンスも視界の中には白色光の残像がちらついていた。 「やっぱ、見えねぇ!」 「せっかくのライト無しなのに目がチカチカして何も見えねぇ!」  長めに股間パーツを開かせることには成功したが、男子たちの視界には 明滅するようなピンクや白い斑点が浮かび、くぱあの細部を認識するどこ ろではない。 「ちくしょー! 見えると思ったのに!」 「これ、ライトなくても見えねぇってどういうことだよ!」 「もうすぐ放課後なのに..無駄な努力だったのか」  男子たちは何とか視界を回復させようと、目をぐりぐりと擦ったり、目 薬などさして必死だったが、最後までくぱあを拝めなかった。  そんな男子たちの努力をみて、許奇がさらなる罰を言ってきたのであっ た。 「お前らのことだ。明日はずっと葉須香を笑わそうと思ってるだろ?だか ら、明日もし忘れ物をしたら、股間パーツは一定の間隔で開閉することに しよう」 「え?それって、くしゃみも笑うのも関係なく?」 「そうだ。10分おきに、大笑いしたときと同じ開き方をしてもらうぞ」 「そんな…」  そう、また葉須香は新たなレベルアップを引き出すはめになってしまっ た。  明日、忘れ物をしたら葉須香の股間パーツは10分間隔で開くことにな り、その内の1秒はライトが消えた丸出しくぱあとなってしまう。  当然、男子たちは許奇の言葉で興奮しながら、内緒話をし始めた。  ぼそぼそ「やった!明日から10分置きのくぱあだぞ」  ぼそぼそ「すげーな。けどいくらなんでも、それじゃ忘れねえんじゃ」  ぼそぼそ「これで俺たちはライト対策だけに集中できるぞ」  ぼそぼそ「今から明日が楽しみで仕方ないな」  この時、葉須香は今度こそ忘れ物をしないと誓って帰路についたのだが、 やはり男子たちの期待に応える形になってしまった。  次の日、登校してきた葉須香は自分自身に呆れた様子で、脱衣をはじめ、 男子たちの黄色い歓声が響く中で全裸となった。  ただ、くしゃみの方はパーツを落とす意味があり、大破以上にしないと 股間パーツは反応しないのだ。  ちなみに今日は装甲巡洋艦、八雲のパーツを付けていた。  ようやく、八雲を大破状態にすると股間パーツがついに10分置きに開 き始めた。  けれども、ライトの眩しさが昨日よりも増しており、男子たちがライト に翻弄されていた。 「ちくしょぉ〜。やっぱピンクしか見えねえ!」 「白色光もライト無しも同じ風にしか見えねえじゃないか!」  男子たちが悔しがっている中、女子の初堂が冷静な視線で股間パーツを 観察していた。  初堂は最初から目をつぶっており、光の感覚だけを覚えるうちに、ある ことに気づき始めていた。男子たちが四苦八苦する様子を観察しながら、 眼鏡のフチを指で押し上げながら、わずかに口元を緩めた。  クイクイッ「ふぅん……なるほどね」  初堂はノートを取り出し、股間パーツのライトのタイミング、そして男 子たちの反応をメモし始めた。そこに規則的なパターンを感じた初堂は、 その観察をさらに深めた。 「次だ、何となくタイミングが分かったぞ」「俺たちの根性見せてやる」 「ライト無しの1秒にかけてやるぜ!」  男子たちが必死に目を凝らすが、白色光のライトに目がチカチカし、せ っかくのライト無しでもピンクの残像が浮かぶばかり。次々と失敗してい く彼らを見て、初堂は微かに微笑んだ。  クイクイッ「ライトの点灯タイミング……最初はピンクが5秒から3秒、 白色光はピンク5秒のときは3秒、4秒のときは5秒、3秒のときは4秒、 そしてライトなしが1秒。ピンクライトの秒数で決まるパターンね」  初堂の中で規則性が完全に見えた瞬間、心の中で小さくガッツポーズを する。 「ふふ、男子たちには教えないから安心してね。ライトを必死に見る段階 であなたたちの視界はずっとピンクの固まりね」  初堂は眼鏡のフチを指で押し上げながら、男子たちの混乱ぶりを楽しむ ように眺めていた。  そして、いよいよ初堂が目を細め、まるで遠くの小さな点を見つめるよ うに、そっと視線を向けた。光が少しだけ瞳に反射し、柔らかな輝きを放 つ。  男子たちは相変わらず目をこすりながらライトに備える中、股間パーツ が作動した。規則通りなら、ピンクのライトの秒数だけ分かれば充分なの だ。白色光は目をつぶって対応すればいい。  男子たちは、光の残像の影響で依然として「ダメだぁぁ」「何も見えね え!」と声を上げていたが、初堂は冷静に秒数を数えた。  ライトが点灯していない瞬間を狙い、すっと目を開く。そこには、葉須 香の丸見え状態のくぱあがはっきりと浮かび上がっていた。 「ふふ、全部丸出しじゃないの。10分後も楽しみにしてるわ」  初堂は小声でつぶやき、ノートに葉須香のくぱあを描いていた。  一方、男子たちが「ずっとライトついてたんじゃないか」「全然見えん」 「10分後に視力回復するぞ!」と騒いていた。  初堂だけが無言で微笑んだ。その顔には勝ち誇ったような表情が浮かん でいた。  放課後が近づく中、男子たちは何度挑戦しても、くぱあを拝めない。  だが、初堂はもうすっかりタイミングを把握しており、まるで何事もな かったかのように平然と座っていた。  そんな初堂に気づいた男子の一人が言う。 「おい、初堂!なんか、さっきからニヤけているよな?」 「ま、まさか、お前タイミング分かってるのか!」  初堂は男子たちの方を振り返り、眼鏡のフチを指で押し上げながら、意 味ありげな笑みを浮かべた。  クイクイッ「さぁ、どうかしらね?ふふ」  男子たちはその微笑みに「やっぱ見えてるだろ!」「ズルい!」と抗議 するが、初堂はただ肩をすくめるだけだった。  クイクイッ「1つだけ教えてあげる。明日はまたタイミングが変わるわ よ。ほら、あと数回頑張りなさい」  その言葉にはわずかな挑発が込められていて、男子たちは悔しがった。  結局、最後まで男子たちはくぱあを拝むことが出来ず、許奇が初堂に1 つだけ質問してきた。 「初堂、お前全て分かったのか?」 「そうね、4は5になるって言えば充分かしら」  教室が一瞬、静まり返る。男子たちの表情は一様に「今のどういう意味 なんだ?」「4は5って?」という驚きで満ちていた。  許奇が頭を掻きながら、参ったという表情を見せたので、男子たちは大 騒ぎしながら初堂に詰め寄る。 「今の詳しく教えてくれ!」「お前だけ見えるなんてズルいぞ!」  しかし、初堂は落ち着き払って言った。 「欲のままに見ていたら、ダメってことよ。あとライト無しは本当よ」  そう言って再び微笑む初堂。その表情は、「葉須香のくぱあは私のもの」 と語っているようだった。男子たちは悔しさで机を叩きながら明日こそは 見てやると誓っていた。  ただ、許奇が初堂にあっさり見破られないように、翌日から大幅にタイ ミングを変えてきた。  さすがの初堂もタイミングを見抜くのが難しくなり、男子たちにはもう 何も攻略できないまま数日間が過ぎ、パーツの罰もいよいよラストになっ てしまった。  ラストは装甲巡洋艦、浅間であり、男子たちがライトの光に翻弄され続 けていた。 「もう何だか分からねー」「もうピンクライトの秒数も関係ねーし!」 「初堂の奴、余計なことしやがって」 「このままピンクのかたまりで終わるのかよぉぉ」  男子たちが喚く中、実はその混乱の輪の中に、静かに考え込む一人の男 子がいた。  初堂とほぼ同じ学力を持つ眼鏡男子の戸来(とらい)。  誰よりも先に攻略しようと、必死に思考を巡らせていた。 「僕としたことが、あの日は欲に負けて見てしまったのが敗因だった」  戸来もピンクライトの秒数に気づいたのだが、初堂と違って、欲に負け て白色光を思い切り見てしまったのだ。  戸来は、男子たちが騒いでいる間も、自分だけ冷静にノートに様々な数 式を書いていた。 「基本はピンクと白色光の秒数が元になっているはずだ。いや、2つじゃ ない。ピンクも白色光も幾つかの眩しさのパターンがある……いや、これ も含めて数式を組めば!」  目を細めて、微妙なライトの眩しさや切り替わる秒数をじっと観察し、 ノートに小さく数字を書き込む戸来。  そしてその数値を睨みながら、何度も頭の中で様々な数式を組み立て直 した。 「なるほど……これほど複雑な仕組みになっていたんですね。この数式を 元にピンクと白色光の幾つかの秒数を当てはめれば!」  ついに完全な規則性が見えた戸来。あとは目を輝かせて確信を深めるだ けだ。 「よし……次の次で確かめてみよう!ライト無しのタイミングは掴めた!」  ところが、戸来は一つ重大な問題を失念していた。  いよいよ戸来が計算したライトが消えるタイミングがやってくる。  戸来の予想通りのタイミングでライトは点灯しなかった。 「よし!計算通りだ!ライトが消えた!この1秒に全集中だ!」  男子たちは相変わらず、ピンクしか見えないことに悔しがっている中、 戸来が意を決して目を開き、全神経を集中して股間パーツを見つめた。  その瞬間、戸来の体に異変が起きた。 「ぐわぁっ!」ブワッ!  戸来の鼻から、思い切り鼻血が噴き出し、男子たちが驚いた。 「おい、戸来、すげー鼻血出てるぞ!」 「大丈夫か!? 眼鏡も一気に曇ってねーか」 「と、と、桃源郷……だ……」  戸来はフラフラしながら言葉を出し、鼻血も止まらず声も弱々しい。 「あれは……まさしく……桃源郷」  そう、たった1秒でも、思い切り見てしまった時の生くぱあの衝撃を戸 来は一切考えてなかったのだ。 「ま、まさか!お前、見たのか!どんなタイミングだ!」 「って戸来のノート見ろよ。数式だらけじゃないか!」 「ずっと、これを組み立てていたのかよ」 「いや、次は……もっと、はっきり見ないと」 「鼻血だらけでそんなこと言ってる場合かよ!保健委員頼む!」  戸来が鼻血を出しながら抵抗するが、女子の保健委員に強制的に保健室 へ連れていかれた。  せっかくタイミングを見抜いたというのに、戸来は鼻血でダウンし、男 子たちも複雑な数式を解明できないまま、放課後を迎えてしまったのだっ た。    そんな戸来のノートを見た初堂がボソリと言った。 「数式は完璧だったわ..今回は私の敗北ね、戸来くん」  その後、保健室から戻ってきた戸来ががっくりしながら言う。 「たったの1回しか..見れなかった……」  だが、その言葉に「1回でも充分だろ」「俺たちゼロだよ!」と男子た ちが苦笑した。  一方で、初堂はそんな戸来をちらりと見て、小さく呟いた。 「あなたのノートは無駄にならなかったわよ。あの後は毎回、見れたわよ」  戸来には気づかれないように、控えめな笑みを浮かべて賛辞を送った初 堂であった  結局、パーツの罰では戸来以外は見れない結果で終わったが、早くも次 の新しい罰を期待している。その理由は、許奇が最後に放った言葉だった。 「葉須香、明日忘れたら、新しい罰だからな。今度は多くの生徒に見られ る罰だから忘れ物はするなよ!」 「え?多くの生徒って..」  葉須香は許奇の言葉を聞いて、本気で忘れ物をしない策を練らねばなら ないと強く感じていたのであった。


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