第二話
旦那様のお庭は、館の巨大さに比例して、とてつもなく広い。
脱走が不可能な理由の1つがこの敷地の広さにある!…と言っても言い過ぎじゃない。
だから、初めてお庭に出たときの衝撃は今でも覚えてる…
(まさか地平線が見える程とはね…ここ…本当に日本?)
館の外に出るだけでも大変なのに…
この広さを見せつけられたら誰だって挫折しちゃう…そんな絶望的な広さ。
だけど…今の私には脱走する意思は無く…
こうして、ヴォルカノ様のお供としてのんびり散歩すれば気持ち良いぐらいの広さに感じるのよね…
……のんびりと散歩できれば…
「ワン!ワン!」
「はぁ…はぁ…ヴォ…ヴォルカノ様…はぁ…はぁ……そ…そんなに……は…速く走らないで下さぁ〜〜い!!」
広大な庭園の西側にある遊歩道…優雅な散歩が約束された場所……なのに…
コースから外れ、西の森へと続く緑の芝生を爆走するヴォルカノ様に追いつこうと私は必死だった。
「ヴォルカノ様はおとなしくて、言うことを聞いてくれる、とても良い子ですよ」
いつだったか、リップちゃんや他のメイドさん達ががそう言っていたハズなんだけど…
お庭に出るなり突っ走るし…静止を呼びかける私の命令を無視するし…
犬って生活環境の中でランク付けをするって、聞いたことがあるけど…まさか…私って最下位?
あう…馬鹿なことを考えていたら、どんどんヴォルカノ様から引き離されてしまってる…
なにかおかしい…
力はあるけど、遊ぶだけで息が切れるというスタミナの無さ。そんなダメ犬なヴォルカノ様なのに…
それにさえ追いつけないなんて…
メイドとして働き始めてからは体力が付いてきたハズなのに…
これは…もしかして…
「あっ!…」
やだ…生理…始まっちゃった…
あうう…ただでさえ忙しいのに…
子宮から下りてくるモノがパンティに染み込んでいくのが分かる…
しかし…それ以上に…
「あ…う…や…こ…こんな時に…」
子宮が…身体が…熱く火照りだしていく…
一般的に『生理痛』と言うモノを私は未だに経験していない。
と言うか…私の場合…月経の始まりは『発情期』の始まりでもあった…
どういうメカニズムなのかは不明…しかし、ただでさえ感じやすい私の身体は、生理が始まると更に敏感
になり、ひたすらに快感だけを追い求めてしまう…
「だ…め……もう……あ……あたしぃ……」
ヴォルカノ様を追いかけていた両足は一歩も動こうとしない…
それに呼応するように、左手が快楽を求めてスカートを捲り上げる…
真っ赤に染まっていく下着の中で震える小さな突起…
包皮から飛び出し、痛いぐらいに充血したクリトリスが、触れられるのを今かと待っている…
揉まれ、弄られることを待ち望み、ブラの窮屈さを訴え続ける両胸…
脳髄を犯す要求に応えるべく、もどかしそうに右手がブラウスのボタンを1つ1つ外していく…
そして歩みを止めた両足が徐々に開いていく…
こうなると私の意識は身体に同調し…何もかも忘れ……
「ワン!ワン!」
「……ヴォルカノ…様…」
溺れかけた意識を呼び覚ます鳴き声は森の方から聞こえてきた。
失態を演じてしまった朝のお掃除…ここでヴォルカノ様を見失ったら………
私は…
*選択(内容が違うだけで、どちらを選んでも最終的に獣○です)
1・森を目指した…
2・無視した…
続く
つづく