F)たくやルート 3
「うわァ、うわァ、見て見て見て、あれ、男の人同士だよ!? ここ、同性愛もありなの!?」
「あっちはバイブ露天で公開オナニーしてますね! ケイト、アソコで売ってるバイブが欲しいですネ!」
「旅行のお土産をバイブにするつもりなの?……誰に上げるのよ、それ」
桟橋のある海岸部から島の内部に足を踏み入れると、行く先々で様々な淫行を目にすることになった。ビーチから多少離れたせいもあって、道行く人々の中にも服を着ている人の数は多くなってきたものの、車にカフェにベンチに街灯、街中にあるそれらの"アイテム"を駆使してまるで見せ付けるかのような激しいSEXが行われているようにも感じられる。
そして予想通りなんだけれど困ったことに、女三人が集まって歩いていると、性欲を刺激された男の人が次々に寄ってきては声を掛けてくるのだ。
『美しいお嬢さんたち、すぐそこでランチしながらSEXしないかい?』
『おねーさんが可愛がって、あ・げ・る♪ お友達同士で禁断の世界に足を踏み入れてみない?』
『最高の夜を味あわせてやるよ。三人一緒だって構わないぜ?』
『五分でいい、五分でいいからそこの路地裏で、ビ、ビデオ回すからさ!』
最後のはちょっと怪しいのは警察にしょっ引かれた。
けどまあ、約三分おきぐらいにやってくるナンパには少々辟易し始めた。まあ女性のナンパが声をかけて来たことには驚いたものの、性に対する抵抗のレベルが日本とは比較にならないほど低いこともあって、誘い方が物凄くストレート。観光業が盛んな島のようだし、ほとんど全員がフリーセックス目的できているんだろうから、性欲を持て余しているのはお互い様。あたしたちの見ている限りでも、街中で合意に達する確率はとても高く、一方、エッチする相手もよりどりみどりなのだからしつこく言い寄られることも少ない。心配していた強引にレイプとか言うこともなかった。
―――みんな、美男美女ぞろいで良い人ばっかりって感じなのよね。
船長さんが言っていた"入国審査"と言うのが関係しているのだろうか。まあ一人でも好ましくない人がこの島にやってくれば、それこそ陵辱の嵐が吹き荒れることになりかねないのは、あたしでもなんとなく解る。
それに大胆な水着を着て街中を歩いたりする女性も、誰かに見られながら性行為に励んでいる人たちも、この島にいる人に共通して"楽しんでいる"ように思えることだ。全裸やそれに近い姿をさらけ出すことで開放的に慣れているせいなのか、フリーセックスという言葉からあたしが連想したような暗いイメージはほとんどない。初対面の相手とのSEXですらも、スキューバーやクルージングのようなレジャーの一種とでも捕らえているのだろう。だから男性も女性も全裸で横行しながら、周囲で行われているSEXは欲望を吐き出すためのものではないので、近くを通り過ぎても身の危険を感じることはなかった。
―――で、まあ……美由紀さんとケイトは、こんな場所でもワールドレベルなのよねぇ……
あたしたちが道を行くだけで、大勢の男性も女性も思わず振り返り、口笛の音が鳴る。
長身で完全モデル体型の美由紀さんに、迫力あるバストをに人を惹き付ける魅力のあるケイト。ここに集まってるのが美男美女とは言え、水着姿のこの二人に注目が集まらないはずがなく、『あの美女を誰が堕とすか賭けようぜ!?』なんて声が聞こえてくるぐらいに衆目を集めていた。
でもってあたしはと言うと、思いっきり蚊帳の外に置かれていた。三分に一度、ほとんどひっきりなしにナンパさんが来てるというのに、完全スルー。どうも服を着てる人は"エッチ拒否"と言うのが暗黙のルールらしい。
―――シャツの下はノーブラだし、ぴっちり肌に張り付いたシャツがかなりエッチなことになっていると思ったんだけど……なにかな、この言いようのない感覚は。
最初は、この島であの二人を守るのはあたしだって強く思っていたはずなのに、二人と数歩離れただけなのに、なぜか奇妙なほどに距離を感じてしまっている。
二人の周りに人が集まる光景はあたしの胸をジクジクと疼かせる。「好きだ」って言ってくれた女の子が他の男に言い寄られているから、それともあたしが二人とは違って"偽者"の女だからなのか。……ただ、クルーザーの中で二人と触れ合った肌が南国の日差しに焼き焦がされているようにジリジリと熱くなり、
―――こ、この状況で興奮するなんて、どうなっちゃったのよ、あたしの身体……
できることなら、今すぐ二人ともう一度……そんな願望を胸に抱いた途端に、膣道が大きく蠢き、ズボンの売り側で大量に吐淫し始める。
ああ、犯されすぎて箍(たが)が完璧に外れちゃってるな……そうなんとなく自分の身体の異変を理解していると、美由紀さんに迫るほど急成長した90センチ台Fカップバストの先端がうすでのTシャツの胸元をツンッと突き上げる。視線を下に向け、もうすっかり見慣れた自己主張の激しい膨らみの昂ぶっていく様にゴクリとノドを鳴らすと、全裸半裸のナンパ男たちの壁の向こうからこちらに視線を向けていた美由紀さんとケイトと視線が絡み合った。
「あっ………」
その瞬間、なんで二人がナンパ男に声をかけられながらもこっちを見ているのか……と言うか、水着を買いにいくはずなのに、こうして足止めを"わざと"食っている理由がわかった。
―――二人して、あたしにいったい何を期待してるのよぉ〜!
つまり、あたしに格好良く助け出せというのだ。さもないと周囲のナンパたちの誰かと……という脅迫つきで。
「どーしよっかな〜、私はそれでも構わないんだけど、用事があるし、連れも一緒だから……」
「そんなに情熱的にアタックされたら、ケイト困っちゃいますネ。アアン、ホントに困っちゃいますネ〜」
ナンパ男たちに思わせぶりな言葉を返しながら、やっぱり二人の目は何かを期待しながらチラチラとあたしの方へと向けられている。かと言って、下手にあたしがあのナンパの輪へ飛び込むのは、むしろ三人一緒に美味しく頂かれてしまう危険性すら孕んでいる。
―――けど、ここで二人を放っておいたら、男が廃(すた)るのよ、男が!!!
「あ、あのっ!」
二人を守るナイトはこのあたしだ!……という割には、また複数本同時に外人チ○チンで犯される可能性に腰が引けてるけれど、それでもあたしは一歩踏み出し、二人を助け出そうと唇を開く。
でも、勢いに乗せて言葉の続きを吐き出す前に、いきなり肩へ回された手に乳房をムニュと揉みしだかれてしまい、あたしはショックで頭の中が真っ白になってしまった。
『なにしてんの、キミ、あの子達のお友達でしょ? だったら会話の輪に混ざんなきゃ』
「へ、や、あの、ち、ちがうんです、その、そのぉ……!!?」
『日本語かい、それ。しっかし連中、目が腐ってるよな。こんなに可愛い子を一人、ほっぽり出してるんだからさ』
日によく焼けた肌に引き締まった筋肉。股間をアピールするためにビキニの水着を履く男性が多い中で短パンタイプの水着を着用した銀髪の男性。一見すると日本の海岸にもいそうなサーファー系海岸男子のような印象だけど、内側に隠しているとんでもないサイズの凶器で水着を押し上げ、その先端であたしの太股を擦るように突つきながら、シャツの下で張り詰めている膨らみをイヤラシい手つきでタップリとこね回してくる。
「はあうぅ……!」
シャツを突き破らんばかりに勃起しきった乳首を指先で挟まれ、つまみを捻る様にこね回されると、強烈な快感が乳房を突き抜け、あたしノドからは短い悲鳴が迸ってしまっていた。
―――やば……で、出ちゃった……
声を上げるのと同時に、あたしのズボンの中に勢いよく愛液が……振りほどくことも忘れたナンパ男の腕に抱きしめられたまま、ビリビリとしている太股の内側にショーツでは受け止めきれなくなった愛液が伝い落ちていく。
しかも突然高い声を上げたあたしに、美由紀さんたちの周りにいた人も含めた街一角の全員の視線が集中する。中にはヴァギナをかき回す腰の動きを止めて膣口から愛液の糸を滴らせながら肉棒を引き抜き、美味しそうにペ○スを舐めしゃぶるフェラを中断して唾液と白濁液で汚れた口元に笑みを浮かべ、異国の地の見知らぬ街の人々が、仲間入りしようとするあたしに好奇の眼差しを向けてくる。
―――いやぁああああ、見ないで、こんなとこ、みんなで見ないでぇぇぇぇ!!!
口を開けばそう叫んでしまいそうなのに、ただ胸を揉まれただけで昇りつめそうになっている身体を押さえるのに歯を食いしばっていないといけない。羞恥で焼ききれそうなほどに真っ赤になった頭では他に何も対応をすることができず、乳首を捻られ、乳房に指先が食い込むたびに絞り上げられた膣内からは射精するかのように淫液が噴き出してしまっている。やがて二十人近い人たちの前で、短パンの内側へもぐりこんだ指先に割り開かれてドロドロになった淫唇がグチャリと音を響かせると、あたしの中に蓄積された羞恥心が一気に爆発し、首と頭とを大きくのけぞらせながら服の下に隠された恥丘を大きく前へと突き出してしまう。
『見られながらイく快感、絶対に病み付きになるからさ……ほォら、こんなに入り口をヒクヒクさせて―――』
―――ダメ、こんなところでイったら、あたし、本当に、あ…あふぅうぅぅぅぅぅん!!!
指先に膣口をなぞられると、ひときわ強烈な快感があたしの下腹部を突き抜ける。口の中にたまったよだれが唇の端から垂れ落ち、もう快感がすぐにでも弾けそう……と、そんなあたしの顔のすぐ横を突然強い風が突き抜けていった。
「あたしたちのたくや君に、何しようとしてるのよ!!!」
「タクヤちゃんはケイトたちとニャンニャンするからレイプしちゃダメですネ―――!!!」
『ぐおっっっ!!?』
我に返ったその瞬間、美由紀さんの拳が男の顔に、そして振り上げられたケイトのつま先が男の股間をそれぞれクリーンヒット。あたしの背後から引き剥がされて地面へと叩きつけられたナンパ男から、さらにあたしを守るように、二人はあたしの両腕をそれぞれ抱きかかえる。
「まったくもう。人が水着ショップの場所聞いてるうちに身体まさぐられてイきそうになってるなんて。もうちょっと女としての自覚を持ちなさいよね」
「そうですネそうですネ。タクヤちゃんはとっても可愛いんですから、男はみんな狼になっちゃいますですネ。て言うか、タクヤちゃんが狼にならなきゃダメですネ」
―――あれ? なんであたし、この二人に説教されてるの? しかもこれって、立場が逆じゃない?
守らなきゃいけない立場のはずのあたしが、逆に二人に助けられた。しかもムニュっとおっぱいを押し付けるように二の腕を抱えられてるのは桟橋での時と同じだけど、今度のは男にあたしを渡さないと言う保護よくバリバリでの防衛モードでだ。
「ほらほら、グズグズしてないでお店に行きましょ。"親切"な人がお店の場所を教えてくれたから」
「そこでタクヤちゃんにお似合いの水着を、ケイトたちが選んであげますネ。その後は三人でビーチで遊びましょうですネ♪」
「一人だけ水着じゃないから変なのに目をつけられちゃうのよ。もういっそ脱いで晒しちゃうべきよね、思い切って、その凶悪人造兵器を衆目に」
「タクヤちゃん、脱がなくてもスゴいですけど、脱いだらもっとスゴいですネ。ここはゴーと言ってはゴーイングマイウェイですネ♪」
―――あああああ、もう分けわかんないけど、連行されるのだけはやめて―――!!!
もう周りはおろかあたしの事さえ目に入っていないのか、二人に強引にズルズル引きずられていく。なんか唖然としてこちらを見ているナンパさんたちの視線にいたたまれない気分を味わいながら、あたしは二人に一時でいいから、逃げないから足を止めてと懇願することとなったのだった……
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