22 絶対危険、命に関わるので真似しないように?(XC3)
なぜか知らんが、我が家の給湯器はよく壊れる。
あまりに壊れすぎて不良品じゃないかとも思うのだけれど、まあそこは置いておくとして、またしばらくの間銭湯に通う羽目になったのだが……
「いやぁ、先輩とこうやって並んでサウナに入るのも乙なものですね♪」
―――せっかく遠目のスパにまで来たってのに、どうして弘二が隣りで嬉しそうに座ってるんだよ……
明日香は海外だし自分の研究も忙しいし、最近何かと疲れも溜まっている。それを解消するために時間をかけて風呂に入りにきたのがかえって裏目に出た形だ。
「あのな……言っとくけど、俺は今は女じゃないし、れっきとした男だし、もう二度と女になるつもりもないからな」
「分かってます……って、分かったって言わなかったら、すぐにボクの事を殴るじゃないですか!」
「お前には実力行使で教え込むのが一番手っ取り早いんだよ。対話による理解で何とかしようとして、何年無駄に費やした事か……」
「ぼ、暴力反対ですよ〜!」
「お前が新しい彼女でもさっさと作ってくれれば、ノーマルになったと俺も安心できるんだよ……はぁ、後輩に尻を犯される心配しながら毎日を過ごすのって精神的に悪いんだぞ」
「安心してください。ボクが狙っているのは先輩のお尻だけじゃありませグハァ!」
「やっぱり分かってないじゃないかよ、お前はァ! いいか、三メートル以内に近づくな、近づいたらぶん殴るからな!」
「も…もう殴ってるじゃないですかぁ〜……」
本音を吐露した弘二の顔へ横からグーパンを叩き込むと、俺は肩を落としてため息を突いた。
こんな会話をしていると、俺まで周囲から同性愛者じゃないかと疑われそうだが、幸いにしてサウナの中には俺と弘二しかいない。もし女のままなら貞操の危機を覚えていたところだが、今は逆に尻の貞操の危機を覚えてしまう。
それに……弘二と一緒に並んで座っていたくない理由がもう一つある。
正直、俺より大きいのだ、股間のモノが。
腰の上に置かれたタオルが股間を隠しているけれど、時々視界に入ってしまうその部位が、俺の記憶から女性だった頃の記憶を呼び起こしてしまうのだ。
………ううう、イヤだ。男の股間を見て「気持ちよかった…♪」記憶を思い出してしまう自分が、とてつもなくイヤだ……
「ふぅ……それにしてもかなり汗かきましたね。先輩、水いります?」
「ああ、サンキュ」
汗でぼやけた思考をはっきりさせようと、弘二から手渡されたペットボトルの蓋を開けるとぬるくなった水を一気に喉へ流し込む。
―――あれ? なんかさっき、変な違和感を感じたんだけど……
今さっき俺がしたことはペットボトルの蓋を開けて、水を飲んだだけで……ああそか。蓋を開ける時にペキペキッて音がしなかったんだ。まさか弘二の飲みさしの水を飲まされた…の………んんぅ………
“弘二の飲んでた水”と言うのが気分が悪かったのか、胸が急に苦しくなっていく。サウナの中で芯まで熱くなっていた身体が波打つように震え、全身が軋んでいるかのように身体が悲鳴を上げ始める。
「こ、弘二……あんたねぇ………!」
毒が入っているとは言わないけれど、文句の一つも言ってやりたい……けれど言葉を放った途端、あたしはまた別の違和感を感じて口をつぐんでしまう。
―――こ、声が変わってる。まさか!?
自分の迂闊さを呪った。まさかこんな場所で弘二が“仕掛けてくる”とは思っていなかったからだ。
あたしは自分の体の変化を確かめよと、右手を胸に、左手をタオルの上から股間へと差し入れた。
どこか懐かしささえ感じる90センチの汗に濡れた乳房の重さと、タオルの下でいつの間にか無くなってしまった男性器の代わりに股間に刻み込まれた女性器の縦筋の感触……その二つの存在を手指に感じたちょうどその時、
―――ガチャ
サウナ室の扉が開き、若々しい男性が入ってきて……その場に硬直して立ち尽くした。
「あ」
今のあたしの姿は、自分の手で胸を揉んで少し開いた脚の間に手を差し入れて……誰が見ても“自慰している女性”の姿だ。だけどあたしも突然の闖入者に驚いて身動き一つ取れなくなってしまい、自分がとんでもない姿をしている事を理解しながら、男性の視線を正面から受け止め続ける事しか出来ずにいた。
………や……あの人、股間が……!
汗に濡れた肢体を隠せないまま晒していると、入り口で立ち尽くしている男性の腰に巻かれたタオルが、ムクムクッと持ち上がって行く。
―――ぼ、勃起しちゃった……どうしよう、あ、あたし、そんなにイヤらしい格好してるの……?
男性を興奮させるようないヤらしい格好をしているのかと思うと、出来たばかりの子宮がキュンッと疼き、右手をあてがわれた乳房の先端で硬くしこって屹立している乳首が痛いぐらいに痺れていく。
「あ…あたし……」
「とっても綺麗ですよ、先輩。汗に濡れてとてもイヤらしいです」
いきなり……いや、それは動けなかったあたしがそう感じるだけで、弘二は優しくあたしの身体をベンチの上に押し倒し、あたしと自分、二人の腰を覆っていたタオルを取り払ってしまう。
「し……失礼しました!」
「ちょ、ちょっと待ってェ!」
仰向けにされ、脚を開かされたあたしの上に弘二が覆いかぶさってくるのを見て、入り口に立っていた男性が誤解を抱えたまま慌ててサウナから出て行く。―――もっともその誤解は、あたしが女の身体から元の姿へ戻らない限り解けはしないだろうけど……
「ああぁ……素敵です先輩。仰向けになっても崩れないおっぱい。汗さえはじき返すスベスベのお肌。そして―――」
「はっ…あああぁ……ん!」
「ふふふ……どうですか、ボクの作った媚薬入りの性転換薬。先輩の姿を他のヤツに見られたのは酌ですけど、股間がスゴい事になってますよ」
言われなくても分かる……弘二の指があたしの股間に触れただけなのに、オルガズムを迎えたみたいに収縮したヴァギナから熱い液体がいっぱいあふれ出したのを……
「ま…待って……今…あんたが薬を作ったって………?」
「ええ、言いましたよ。僕が先輩を女にするために何年努力してきたと思っているんですか。麻美先輩のパソコンから薬のレシピを盗み出して、自分で薬を作って、給湯機に細工をするのなんて朝飯前でしたよ」
努力する方向が違う。それにうちの湯沸かし器が壊れたのは――!?……そう叫ぼうとしたけれど、弘二の指がヒクヒクと蠢いている膣肉を掻き分けてくると全身の筋肉が緊縮し、言葉を放つ代わりに淫肉に包まれた指をギュッと締め付け喜びに打ち震えてしまう。
「はあっ、うゥッ、はっ、あっ、うあァ………ッ!」
「そんなに腰を揺すっちゃって、やっぱり先輩は女性になれた事を喜んでくれてるんですね」
「ッ……んぁあああああッ!」
「そんな先輩に、ボクからもう一つプレゼントがあるんですよ……ほら」
深い場所を指で擦られたわけでもないのに軽く昇りつめてしまったあたしを指でさらに弄びながら、弘二が身体を起こして股間のものを見せ付ける。
「な……!? そ、その大きさ………」
「僕が盗んだデータは一つだけじゃないんですよ」
弘二のペ○スはあたしの記憶にある大きさよりもさらに肥大化し、反り返りすぎてお腹の皮に張り付いていた。
「先輩を喜ばせてあげようと準備万端。今の僕はパワフル弘二を越えた、デンジャラス弘二です!」
言っている意味は分からないけれど、おチ○チンを見せられただけであたしの体の疼きはますます昂ぶり、サウナの室温にも負けないぐらい熱いため息を漏らしてしまう。
ずっと太股の間に挟まれていたのであろう、窮屈さから開放されたペ○スは、女になってしまった今、一目であたしを虜にするほどの雄々しい威容を誇っている。あんなのを押し込まれたら、ゴリゴリ子宮を押し上げられて……
―――な、なに考えてるのよ。今の今まで男だったのに、どうしてもう弘二に犯されて喜ぶような事を考えてるのよ!
「こ…弘二ぃ………」
「待たせはしませんよ。僕だってずっとずっと先輩とSEXしたいのを我慢し続けてきたんですから」
「ち、違う、あんたなに勘違いして―――――――――!!!」
あたしの抗議の声は弘二の耳に届かない。
二人してサウナの熱気に当てられたのか……疎い肉棒が陰唇を割り開き、腰に力を込める事で淫肉を掻き分けてあたしの内側へと押し込んでくる。ジュブブ…と媚薬の効果でにじみ溢れる愛液が卑猥な音を連続して響かせ、十分すぎるほどの潤滑液を得たペ○スは一番深い場所にまでやすやすと到達してしまう。
―――弘二の……弘二のおチ○チンであたしの膣内がいっぱいにぃ……!
ペ○スを受け入れる感覚は何度体験しても慣れることはない……それなのにあたしのヴァギナは、今しがた出来たばかりの膣壁を妖しくうごめかせて弘二の肉棒を締め上げている。
「やっぱり……先輩は最高です。さあ、二人の愛を思う存分確かめましょう!」
「あ、あっあっあっ、う、ウソ、そんなに激し…ひゃう、あ、んは、あ、ああ、ん、んふぁああああああっ!!!」
汗にまみれた乳房にうずめ、弘二が腰を振りたくる。胸に吸い付きながら窮屈な姿勢で腰を動かしているのに、脈打つペ○スの先端は痙攣を繰り返している子宮を力強く小突き、敏感な粘膜を大きく張り出したカリ首で執拗に抉る。
それなのに……そうされる事が気持ちいい。
ペ○スを引き抜かれるたびに膣内を満たしていた愛液が掻き出され、アナルへと垂れ落ちる。けれど乾く事無く濡れたままの蜜穴へ肉棒が埋没すると、膣から脳髄へと快感が駆け巡り、弘二に覆いかぶさられたまま身を悶えさせてしまう。
「ゥ………!」
弘二のペ○スが子宮を突くたびに、あたしの中に忘れていた感覚が蘇ってくる。弘二はずっと待っていたと言うけれど、あたしだって久しぶりに味わうSEX……圧迫感が強すぎて子宮が変形しそうな強い圧迫を伴う深く激しいストロークに頭の中が真っ白になるぐらいに理性が弾け飛んでいく。
珠の様に浮かぶ汗。紅潮した肌。体の上でたわわに揺れる乳房を絞り上げられながら、サウナとSEX、二つの火照りで熱しきったあたしの身体は悦びに打ち震え、粘膜と肉茎が擦れあうたびにガクガクと腰が振るえて愛液を噴き出してしまっている。
「弘二、いいィ、はァ、ああっ、あンッ! あっ…はぁ…あっ、はあっ、はああ、イ…イイイ、イく、ああ、あああ、あ、あっ、はあッ―――――――――!!!」
汗でヌルヌルの身体をすり合わせるようにあたしは弘二の腰へ足を、そして首に腕を絡めて強く引き寄せる。そして弘二の太いモノが脈動した次の瞬間、激しい勢いで噴出した精液があっという間に子宮の内側を濃厚な精液で注ぎ満たしてしまう。
「あっ、あああっ! 射精で…中出しでイっちゃう、また、キちゃう、ハァアアアッ、んぁああぁぁぁ〜〜〜〜〜〜〜〜〜!!!」
弘二が長い間溜め込んでいたあたしへの想いは、一滴も余す事無くあたしの膣内へと注ぎ込まれる……まるであたしのアソコが自分のものだとマーキングするように、それとも……あたしに赤ちゃんを孕ませるつもりかのような力強さで、大きく反り返るあたしの腰へとペ○スを突き立てる……
「ハァ、ハァ、ハアアアァ……んっ…ハァ、ハッ、ハァ……」
喉が……渇いてる。
それも当然だ。サウナの中でこんなに激しく動いたら体力だってスゴく消耗するし、汗の量だって尋常じゃない。その上、弘二を受け入れてしまった余韻に陶酔したままの頭の中は、ボンヤリしたまま何も考えられない。このまま気を失ってもおかしくないほどの消耗ぶりに命の危険さえ感じるほど……なのに、
「さあ、いっぱい汗を掻きましたし、体を洗いにいきましょうか。僕が背中を流して上げますよ♪」
なぜか元気いっぱいなままの弘二はズルッとあたしの膣内からペ○スを引き抜き、白濁にまみれたままの股間を隠そうともせず、あたしの手を引いてサウナ室を出ようとする。
「なっ……こんな…格好で……出られるわけないじゃない…の……」
「だから綺麗にしてあげるんですよ。でも……ボク、先輩が綺麗になった途端に襲い掛からない自身がどこにもありません! 今だってまだまだ犯したいほどなんです!」
「だから、だったらなんでこんなところであたしを女に……って、あたしの話を聞きなさい!」
あ……ダメだ、大声出したら頭がクラクラする……
「大丈夫、ちゃんと話は聞いてますよ。でも、ボクは今スゴく幸せだから、今の僕らを大勢の人たちに見てもらって祝ってもらおうじゃありませんか!」
―――もしかして、平気そうに見えて弘二の頭も熱でイっちゃってる……? マ、マズい!
外へ出ようとする弘二を押し止めようとするけれど、フラフラのあたしと体力だけは有り余っている弘二とでは話にならない。
結局弘二はサウナ室の扉を勢いよく開けてしまい……大勢の男の人が待つ大浴場へとあたしを連れ出したのであった―――
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