12ネット喫茶でプチ露出(3)


(うわ……ホントにこんな事…ここでしちゃうんだ……)
 それは予期していない未知なる世界への扉とでも言おうか……
 狭い個室に一台のパソコン。インターネットカフェ――いわゆるネット喫茶の個室としては定番とも言えるスペースだ。
 当然ここにはあたししかいない。背後の扉を閉めれば、外の気配は伝わってくるけれどほんの少しの閉塞感と薄暗さにドキドキしちゃうんだけど……今のあたしの胸の高鳴りは、禁断の果実を口にした乙女…と自分で言うのも恥ずかしいけれど、それほど女になっているあたしにとっては触れてはならないものに触れた事によるものだった。
 実は、この個室に足を踏み入れてから一分と経ってはいない。ただ、前の使用者がパソコンの画面を消さずに立ち去っていて、そこには……あたしが知っているようで、まったく知らない世界が映し出されていた……




「さ〜って、今日はバイトも無いし、どうしよっかな♪」
 大学の帰りに水色のワンピース姿で街へ繰り出したあたしは、ん〜っと両腕を上げて伸びをしながら周囲を見渡した。
 最近バイトバイト研究バイトでろくに遊ぶ時間もなかったけれど……これも自分が元に戻るためだし。とは言え、図書館で参考資料を読んでても眠気が襲ってくるし……たまには息抜きも必要だって、うんうん。
 道を歩きながら一人で何うなずいてるのかも分からないけど、ここで一つ問題が……一人で遊ぶのって、寂しいよね……
 そんな時、ふと真新しい看板が目に飛び込んでくる。
「―――ん? ネット喫茶か……」
 自分の部屋にもパソコンはあるけど……たまにはいっか。ネットで「男に戻る方法」なんてのが見つかったら面白いんだろうけどな〜〜……まず無いか、ははは……
 まだ開店したばかりらしく、サービス期間と言うことでお値段も安めだ。ドリンクバーに色々遊ぶ施設がついてるって言うのにも心を引かれ、あたしはネット喫茶の自動ドアの前へと足を進めた。


 飲み放題のドリンクを手に、個室スペースへ向かう。
 学校が終わる時間ともあって、大体どこも使用中だった。けれどただ一室、一番奥の場所が空いていたのでそこに入り……
「あ――――――――――――――」
 あたしは言葉を失った。
 パソコンの電源が入りっぱなし……こういう店では大抵そう言うものだ。
 ―――が、普通はマナーとして自分が閲覧したサイトのブラウザと言うのはキッチリ消して行くものだ。自分が何を見ていたかを他人に知られるのはハズかしいし、最近は個人情報の流出なんかも話題になっている。まあ……見られてもいいって言うんなら、マナーは悪いとは思うけど、それはそれでたいした問題じゃないと思う。
 問題なのは……そのつけっぱなしの画面に映っているものが、裸の女性を撮影した無修正のいやらしい画像ばかりだという事だ。
「〜〜〜〜〜〜〜〜―――――――――!!!」
 声を出しちゃいけない。こういう場所では静かにするのがルールだ。……けどそれ以上に、こんな画面を前にして立っているのを他の人に見られたら、どういう風に思われるか分かったものじゃない。
 それに…パソコンの画像なんて、ちょっと操作して消せば良いだけだ。うん、あたしは何一つやましい事はして無いし――と、跳ね上がった心臓に手を当てて深呼吸を繰り返す。
(………誰も…見てないよね?)
 視線を歩いてきた通路へと向けるけど、誰もいない。個室からあたしの様子を伺っている人もいないのを確認すると、人一人が入れるだけのスペースしかない個室へ素早く入り込み、椅子へ腰を下ろすよりも先にマウスへと手を伸ばした。
「う……あ……」
 さすがに目をそらして操作は出来ない。だから不可抗力的に画面を見てしまうしかない。―――けど、左隅の×ボタンを押す前にはもう、あたしは画面の中であられもない姿をさらしている女性たちに見いてしまっていた。
 ―――裸と言うのは少し語弊がある。ほとんどの女性が衣服をまとっていて、それをたくし上げ、開く事で自分の肌や下着をさらけ出している。……しかも屋外で、コンビニで、街中で、夜の公園で……中には荒縄を乳房や股間に食い込ませ、上から下まで全てをさらけ出している女の人の写真まで……
 それは、いわゆる野外露出系の投稿サイトだった。―――これがまだ、ただのいやらしいサイトだったら、あたしもここまで魅入られる事も無かったかもしれない……
「……………………………」
 もしあたしが男の状態だったら、こんな画像に異様に興奮して、明日香にやってもらえないかな…と、ふしだらな妄想を掻き立てるだろう。けど………今のあたしは逆に「あたしがこんな事をしたら…」と、自分を写真の中の女性たちと置き換えた想像が脳裏をよぎってしまう。
(んっ………こんなの……出来るわけないよ………)
 分かりきっているのに……画面から目が離せない。あたしの右手はマウスを握ったままブラウザを閉じる事が出来ず、ついには熱く湿ったため息を突きながら、すとんと、落ちるように椅子へ腰を下ろしてしまう。
 それからはずっと無言で、けど時折ノドを鳴らして唾を飲みながら、マウスを動かして画像を呼び出していく。
 画面の向こうには、女を知っているからこそ「とても無理だ」と思えるような行為が平然と行われていた。過激な行為と言う点でなら、あたしも何人もの男性と肌を重ねてしまって色々な行為を…それこそ3Pとかアナルとか、信じられない行為もしちゃっているけれど、こんな風に自分の意思であられもない姿をさらけ出すのは、また別の恥ずかしさだ。
「どんな…気持ちなんだろ………」
 ―――って、おい。あたしは今、なんてつぶやいた?
 口の中はカラカラに渇いている。思い出したように持って来たドリンクに口をつけて一気に飲み干すと、ようやく自分の身体がどれだけ火照っているのかを自覚できた。
「はぁ………」
 自覚できたからといって、身体の火照りが収まるわけじゃない。収めたかったらバスタブいっぱいの冷たいジュースが必要だ。そして……
「こんな風に…裸で…裸になって………んッ!」
 突然の刺激に、あたしは小さく声を漏らしながら背中を震わせた。見ると、無意識に左手が服の上から右の乳首の上を優しく擦りたてていた。
「あ……や…はず…かし………やめない…と……」
 分かってるのに……いくら理性が命じても、あたしの左手は乳首を弄るのをやめようとしない。摘んだり捻ったりは決してせず、触れるか触れないかの微妙な刺激を繰り返すだけ……だというのに、あたしは椅子が軋むほど身をよじってしまい、触れられてる乳首は乳輪をなぞる様に指先が円を描くとビクッと痙攣しながら固く、服の上からでもくっきりとその存在を確認できるほど固く大きく尖ってしまう。
 そして今度は左……右の時とは違い、熱い呼気を吐きかけた左手を大きく開いたあたしは、張りのある豊かな膨らみを包み込むように触る。柔肉に指を食い込ませず、ふもとから先端に向けて形を確かめるように五本の指と手の平とを滑らせ、まだ固くなり始めたばかりの乳首を下から上に向けてスッ…スッ…と擦り上げる。
「こんな…ところで……あたし…んッ…! こんな、とこ……誰かに…見られたら……んっ…ふゥ…ん……!」
 あたし…今……とんでもない事してる……露出行為って…こういうの…なの……?
 薄い壁をはさんだすぐ横には、顔も知らない誰かがいて……もしかしたら聞き耳を立ててるのかもしれない。そう思うと、やめなければいけないと思う意識とは裏腹に、服の下で乳房が痛いほど張り詰め、羞恥心とスリルとが混ざり合った感情が触れるだけで声を荒げてしまいそうなほど神経を昂ぶらせてしまう。
「―――あ……これで…終わり?」
 左手でつたないおさわりを繰り返している内に、そのサイトの画像を最後まで見てしまっていた。最後の方は何を見たか覚えてないので、ページを適当に戻ろうとマウスを動かす。
「あ、あれ?」
 指先まで興奮の震えが伝わっているのがマズかった。マウスを動かした拍子に、人差し指がカチャッとボタンを押してしまって別のページが開いてしまう。
 ………掲示板? 露出サイトの掲示板……ちょっと…興味、ありかも……
「…………わ…これって……」
 そこに書かれていたのは、女の人たちが露出をした「体験談」と、その人たちへ男の人たちから下された「命令」だった。
 ある意味……こっちの方が生々しい。文章に目を走らせるたびに、あたし自身が野外で……公園のトイレで下着を脱ぎ、肌を見せた服装で電車に乗り、一日中全裸で過ごしたり……考えるだけで頭が沸騰しそうな出来事を追体験してしまい、ついには椅子のリクライニングを倒し、体験談を読みながら左手をスカートの中へと滑り込ませてしまう。
「ふゥんッッッ!!」
 とっさに右手で口を押さえなければならないほど、鋭い悲鳴が口から迸る。あたしのスカートの中は胸への軽すぎるほどの愛ぶった任の露出を見ている内にドロドロに濡れ、スカートから引き抜いた指先には白く濁った愛液が纏わりついていた。
「こんなに…濡れて………んむ……」
 自分の愛液を口に含み、指を嘗め回して咀嚼……鼻の方にまで広がる濃厚な自分自身の匂いを味わうと、その手をそのまま背中へと回す。
 ―――パチッ
 小さな金属音……ブラのホックをはずす音だ。途端に締め付けるような圧迫感から乳房が開放される。そのまま首の後ろのワンピースのホックもはずすとあたしの肌を覆う衣服がするりと肩を滑り落ち、しっとりと汗ばんだ豊満な膨らみが薄暗い個室の中で露わになってしまう。
「はぁ………あたし…露出してるの…かなぁ………」
 いつもの服を脱ぐ行為とも違う。もちろん脱がされる感覚とも違う。―――他人が露出した肌を見て、他人の露出行為を読みふけっている内に火照った二つの膨らみは、外気に触れるだけでふもとから先端に至るまでプルッ…と内側から込み上げる興奮に打ち震え、その光景を目にしたあたしは恐いぐらいの恥ずかしさと快感に悩ましい吐息をこぼしてしまう。
「………誰も…見てないんだし……」
 けど、見られるかもしれない……本当は恐くて、恥ずかしくて、今にも泣き出したいぐらいだと言うのに、あたしは椅子から腰を浮かせて服からこぼれた乳房をディスプレイに寄せるように前かがみになる。
「んっ……」
 画面から視線があるはずが無い。でも、その向こう側から感じてしまう無数の欲情の数々に、たわわな果実の下で興奮と言う名の血流がドクッドクッと音を立てて脈打ってしまう。
「はうぅ……あたし……変に…なっちゃうぅ………」
 止めないと…そう思っても、あたしの手はまるで別人の手になったかのように、椅子と、背後の扉へ向けて突き出したお尻を鷲掴み、スカートをたくし上げながら瑞々しいほどの張りのあるヒップをこね回した。
「あっ……ああぁ………」
(声……止められない………ああぁん…パンツ…下ろそうとしてる……こんなの変態じゃない……誰かに…見られたら……)
「んっ―――」
(今…もし誰かが扉を開けたら……犯される…ううん、見られちゃう……こんなところでこんな……おっぱいも…お尻も…全部さらけ出してるところを………でも…後ろからだから顔は見えないかも……でも…でも………!)
 誰もはいってくるはずの無い背後を振り返りながらも、あたしの心臓は張り裂けそうなほど大きく鼓動していた。
 乳房に触れんばかりに近づいたディスプレイが熱い……まるで誰かの顔がすぐ傍にあるような錯覚が襲いかかってくると、あたしはそれでも、恐る恐るパンティーを引き下ろし始めた。
「ハァ………ドキドキ…する……」
(いけない事をしてる……そう自覚しながらも、ノドを鳴らして唾を飲んだあたしは下着の横紐を摘んだ指を下へ向けて動かして行く)
 どうしてこんなに興奮しているのか……あたし自身が一番理解できていない。だけど、完全興奮状態で乳首まで張り詰めた乳房が波打つように打ち震え、お尻を丸出しにしようと濡れた下着をおろしていくたびに、眉に力が入り、その一瞬の後には蕩けるような快感が全身に広がってしまう。
(これが露出の快感だって言うのなら…あたしは……)
 咥えられるのなら、悩ましい吐息しかつけない唇に指を押し当てたい気分だった。狭い個室の中にはあたしの体臭が充満していて、身をよじるだけで普段よりも濃厚な汗と愛液の匂いが絡み付いてくる。
 まるで快感の海の中で溺れている気分にひたりながら、あたしは下着をお尻からズリ降ろした。すると、露わになったアナルとヴァギナからずーんと重たい衝撃が頭の先にまで突き抜け、裏返しになった股布へドプッと膣の奥から搾り出された愛液を滴らせてしまう。
「んんっ…んんんっ……!」
 溢れそうになる声を唇を噛んで必死に押しとどめると、あたしはそのまま膝まで下着を引き下ろした。
「あっ……」
 立ったままではそれ以上下着を下ろすことができないので、あたしは手を離して背筋を伸ばした。―――その途端、カーッと全身が熱くなって、溜まらず腰を揺さぶってしまう。
(やだ…イっちゃい…そう……)
 慌てて口を両手で押さえ、崩れるように椅子へと座り込む。けれど、外気に触れ始めてすぐに収縮を開始したヴァギナは愛液をとめどなく溢れさせ、愛撫を受けているかのように大きくうねって愛液をグチャグチャと鳴らしてしまっている。
「フゥ……んんっ……ん………」
 膣口から子宮の奥に至るまで痛いぐらいに痺れている。こうして半裸で立っているだけで、見えない視線にさらされているような気持ちになり、自分の体重からも開放されて前に投げ出している両足が小刻みに震えるほど緊張していた。
「あたし……どう…しよう………」
 頭の中が真っ白になり、けれど胸や股間を隠そうとはしない。玉のような汗の雫を表面に浮かせるほど火照っている乳房も、内腿まで濡らすほど愛液を溢れさせた淫裂も、まるで誰かに見て欲しいといわんばかりに晒し、それなのに実を焼くほどの羞恥心で意識が朦朧とさえしている。
(昂奮……して………)
 見られたくないのに見せたがっていると言う矛盾した感情の狭間で、いつしか涙を流し、胸を上下させるほどに息を乱してしまっていた。
「………あ……もう……あ…あたし……」
(ネット喫茶でこんな格好をして……頭の中…おかしくなってる……)
 あたしの意識の中だけにある視線の感覚に打ち震える体を抱きしめながら、椅子にもたれかかっていた上半身を起こす。そして短く速く喘ぐような呼吸を繰り返しながら熱で潤んだ視線を前へと向けると……露出の告白を行う掲示板が映し出されたパソコンの画面が目に入ってしまう。
「…………………」
 無言のまま、涙でかすんで見えない文字を見つめていると、あたしの右手が無意識に……いや、心の奥底で望んでいる本能に従ってキーボードで掲示板に書き込みをし始める。
「今日………ネット喫茶で………服を……脱ぎました………」
 キーボードの文字を一つ打ち、自分の痴態を書き込んでいくにつれて少しずつ、息が詰まるほどの恥ずかしさと昂奮に汗だくになった体が痙攣する。開いた左手で乳房を揉み、手探りするように四角いボタンを押し込んでいく。
「……濡らし…ました……脱いだ…だけで……ものすごく恥ずかしくて……こうしている間も…恥ずかしくて……しにそうです……けど―――」
 けど―――やっぱりこんな書き込み、できっこない!
 キーボードからマウスへと右手を動かし、あたしは入力欄の傍のクリアのボタンを押そうとする。何もかも無かった事にするために。あたしが…自分でこんな痴態を演じた事を忘れ、消し去るために。
――――ガチャ
「―――――――――!?」
(扉が…開いた……)
 心臓を鷲掴みにされた……とは、こういう事を言うのだろう。あたしの体は一瞬で凍りついたかのように動きを止め、大きく目を見開いてしまう。
 後ろからではむき出しになった肩ぐらいしか見えないかもしれない。けれど、そこから一歩でも進まれれば胸も、そして股間までもが見られることに……
「いっ――――――」
 「いや」と口に出来ないほど焦り、怯え、恐れていた事態が起こってしまったことに身体が震えてしまっている。だというのに、パニックを起こしたまま咄嗟に体を隠そうとした右手には熱を帯びた乳房の重みが加わり、左手はスカートを股間を覆うように引き下ろそうとした動きを途中で止めてしまう。
「い………あっ…………!!」
 左手がほんの少し秘所に触れただけで、あたしの身体は痙攣を引き起こし、身体をビクッと伸び上がらせる。ペ○スを入れられたわけでもないのに収縮し始めたヴァギナからは愛液が勢いよく噴き出して左手を濡らしていく。
「クッ―――――あ…んんんっ〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜!!!」
 キツく目を閉じたまま首を後ろへ反り返らせ、股間から何度も愛液をしぶかせる。後ろに誰かが……あたしの知らない誰かが見ているというのに、緊張の末にアクメを迎えた身体は椅子を軋ませながら腰をくねらせ、震えるのに身を任せて絶頂を繰り返す。両手で押さえても押えつけられない恥ずかしい汁は椅子どころか床にまで滴り落ち、たちまちの内に狭い個室の中にはツンッとする愛液のキツい臭いが充満してしまう。
 だけど――――仰け反らせたまま上下逆さまの視界を開いた目には締まったままの扉だけが映り、個室の中には誰かが入ってきた様子などどこにも無かった。
「………もしかして……隣り?」
(あ…………あたし、なんて…やだ、本気で…イっちゃった………)
 いまさら慌てても、何もかも遅すぎる。まだ絶頂のよいんで脱力感の残っている体を無理やり起こして股間を見やると、そこはもうビショビショ。あたしの持っているハンカチ一枚では後始末のしようも無いほどだ。
「ど…どうしよう……どうしようどうしようどうしよう〜〜〜〜〜!?」
 落ち着け、落ち着くのよ、あたし。こんな状況をお店の人に頼んで後始末をお願いするわけにもいかないし、あたし一人でどうにかできるはずも無い。となれば―――
「………ごめんなさい」
 逃げるしかないわけで。あたしは自分のカバンを手にすると椅子から立ち上がる。
「でも………ちょっと悪い気が…………」
 そう、このまま何もせずに逃げ出すなんて、いけないことだ。理由は説明できないけど……ちょっとぐらいのサービスはしてあげないと………



「あの……お会計お願いします」
「はい、少しお待ち………え?」
 あっ……やっぱり…見られてる……ノーブラだってばれちゃってるよね…こんなに乳首が立ってるんだから……
 レジの前に立ったあたしを見た店員さんの動きが止まってしまう。その視線はワンピースの胸元を大きく押し上げている乳房にそそがれている。
 顔が紅潮して行くのが分かる……きっとこの店員さんは、あの個室を濡れ汚したのもあたしだってすぐに気づくだろうし、それに……ノーブラノーパンの姿を凝視されるのって……スゴくドキドキしちゃう……
「ふふ……♪」
 あたしが熱を帯びた目で微笑みかけると、我に帰った店員さんは、慌ててレジに駆け寄り、精算をしながらいやらしい目をあたしの胸や腰のラインへと向け続ける。その視線を感じている内に、ハンカチで拭ったはずの太股に新たな愛液の滴りが垂れ落ちてきてしまう。
 でも……このバイトの人ならいいかな……結構可愛いし……
「あ、あの…お、お釣りに、なります……」
「ありがと。それから……一番奥の個室、ちょっと汚しちゃったんですけど……お掃除しておいてくださいませんか?」
 少し蕩けた……まだ身体の火照りが治まっていない興奮状態の艶を帯びた声でそういわれてコクコクとうなずく店員さんに、クスッと笑みを漏らすと、
「じゃあ……これはそのお礼」
 と言って、お釣りを差し出していた手をレジ台にすり寄せていたスカートの中へと引き入れてしまう。
「あっ――――」
「んっ……じゃあ…またね♪」
 ほんの一瞬……でも、秘所を撫でてもらい、その手を愛液で濡らすには十分すぎるほどの時間とサービスを与えてあげたあたしは、突然の事に呆然としている店員さんにウインクして見せながらネット喫茶を後にした。
(はぁ………あたし、本当に露出に目覚めちゃったかも……)
 最後の最後で他人の手に触れてもらえた股間は震えるほどの快感が渦巻いていた。きっと家に帰れば時間を忘れてオナニーにふけっちゃう事だろう。


―――今日の出来事と、間違えて書き込んでしまったあのサイトでの出来事を思い返しながら……


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