『パラレルXC1.5 美術部エンドAfter…Dark』


「あん、や、そんなとこいじっちゃ…」 「何云ってんだ、この好きモノが。こっちでだってヤってるんだろ」 「いや、そっちはまだぁ…」 「なんだ、初めてか?じゃあアナル処女を俺が頂くってかぁ…俺もアナル初めてだ!」 「ははは、じゃあ俺がヤってやるよ。結構こっちはデリケートなんだ。無理したら壊れちまうからな」 「う〜ん、じゃあしょうがない。2番目は俺だ」「じゃあ3番目」 「慌てなくてもまわしてやるよ。なあ、“たくやちゃん”」 「…うん」「よぉ〜し、ローション取ってくれ!」 …な、何やってるんだ、学校で!?あの三人、あいつらぁ!…あ、相原? 『パラレルXC1.5 美術部End.After…Dark』 その1@ ここしばらく美術部に顔を出していなかった。担任としての雑務が多くて、放課後それにかかりっきりだった のだ。…受け持ちの一人に相原拓也という生徒がいるのだが、これがなんと、『女』になってしまったのだ。 この僕も本人を目の前にするまでそんな事信じられなかった。 というか、本人を目の前にしたって似ている姉妹がいるとしか思えなかっただろう。話し口調も女そのものに なっているし(本人に聞くと頭の中での考えも女そのものになっているらしい)身体つきも…ま、まぁそれは いいとして… 薬品を被ったのが原因らしく、元に戻る薬も科学部部長の佐藤が作るとの事で相原が元に戻るのも時間の問題… と思っていた。 だが何週間経っても相原は元に戻らない。それどころかそれまで所属していた科学部を辞めて、美術部に途中 入部してきたのだ。 相原本人に事情を聞くと『薬が間に合わなかった』と云うし、佐藤に聞くと『薬は要らないと相原に云われた』 と云う。佐藤はその時、この件に関わりたくないと早々と僕を科学室から追い出した… 二人が仲たがいしているのは間違いないだろう。と、すれば相原にはまだ男に戻る可能性もあるということだ。 僕は時間を置いて佐藤を説得しようと思い、とりあえず相原の様子を見ることにした。 その日、久しぶりに美術部に顔を出す事にしたのは、相原に美術部に入った理由を尋ねる為だった。入部届は 部長を経てこちらに廻ってきたので本人と話しをしていないのだ。 思えば、美術部に顔を出すのは、女になったばかりの相原にモデルを頼んで連れて来た時以来だ…もしかして その時にモデルをやった事で、美術というものに目覚めたのかな? などと考えていたのだが… 「何、来てない?」「いえ、来てたんですけど」 「じゃあどこ行ったんだ」「帰ったんじゃないですかぁ」 「そうか…」「相原さん、いつもちょこっと顔出したらすぐ帰っちゃうから」 「いつもか?」「そうですねえ、日によって時間はまちまちですけど、最後まではいたことないですよ」 「そうか…ん?あの悪ガキトリオは?」 女性のモデルを描きたい!といつも文句を垂れていた三人組が見当たらなかった。あの時は相原をモデルに 良い絵を描いてきたので少し見直していたのだが。 「そういえばここんとこ来てないですねぇ」「ずっとか?」 「う〜ん相原さんが部員になってから、ほとんど来てないんじゃないかな?」 「…」何か引っかかるが…まさかな。 「もし、相原が来たら職員室に来るように云ってくれ。僕が話しがあるって」 「は〜い判りましたぁ」そう言い残して美術室を後にした。 生徒用の昇降口に行って相原の下駄箱を覗くと、まだ外ばきが残っていた…まだ学園内にいるんだ…教室に 戻ってみたが誰もいない。 どこにいるんだ?ここへ来て急に不安が募る。今あいつは間違いなく女子だ。つい『男』という事が頭から 離れなかったので、そっちに考えが行かなかったが… 園内を端から見てまわる。いつのまにか早足に、そして駆け足で見てまわるが、相原の姿は見当たらない。 ん?視聴覚室を使う部なんて無かったよな。夕暮れで、使っている教室はほとんど電気を点けている。視聴覚 室は点いていなかったが…確かに人影が。 階段までは駆け足でやってきた僕だったが、何故かそこで息を整え足音を殺し静かに中を窺ってみた。なにか しら妖しい雰囲気が漂っていたからだ。


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