序章 復活した女の子達


 2004年12月30日、東都国立競技場スペシャルアリーナに突如現れた特製ドームへ、全国 から女子高生30名が集められた。  ドームの名前は”S&Gアドベンチャーワールド”という、巨大プールであった。実はS&Gは 今まで行われてきた 女子高生水上アスレチックの主催者であり、年末の大イベントとしてサバイバルチャレンジが行わ れることとなった。 総工費50億円を超えるアスレチックに加え、巨大なスポンサーをバックにつけた最大級のテレビ 番組である。  集められた女の子たちは、実は過去の水上アスレチックに出場し、奮闘むなしく敗れ去っていった メンバーである。 過去2回行われたアスレチックはすべて全滅という形で幕を閉じており、女の子たちは無残な最期 を迎えて水の泡となっていた。 今回は従来の賞金をはるかに超え、5,000万円という破格の賞金が用意されている。その上、 芸能界デビューが約束され数々のスポンサーが付くという副賞まで用意されていた。  12月30日 午前9:00 オープニング  30名の女子高生は、用意された服装に着替え、係員によってアリーナの入り口にあるスタート 地点へと誘導されて入場した。彼女達は、全員水着で、さらにハイソックスと肘まである手袋と いう服装で集められた。肘と膝を怪我から守るという意味でこの服装になっているようだ。  突然、会場が暗くなり、中央のステージに主催者が現れた。  『今回はよく集まっていただきました。これより”女子高生サバイバルチャレンジ”をスタート します。 今回は賞金、副賞をグレードアップさせていただきました。』 そして説明は続く。  『しかし、アスレチックも従来とは比較にならない難易度で用意してあります。さらに敗れて しまった女の子は、恐ろしいペナルティゲームが課せられてしまいます。』  会場からは大きなざわめきが起こる。  『最終関門をクリアすれば賞金、副賞はもれなく差し上げますが、関門で失敗し、プールへ転落 してしまった時点でアウトです。 もちろん敗者復活はありません。最後まで生き残った方のみが栄冠を手にすることができます。 なお、失敗した場合は必ずこの後ろに広がるプールへ転落することになっていますが、このプール の水は特殊な水で、比重が軽くなっています。すなわち転落した時点で浮力が0となり、自力で 泳ぐ事は不可能です。さらに、皆さんの着用しているコスチュームもすべて溶けるようになって います。』  基本的に、従来のアスレチックと同様であるが、一度落ちたら助からないプールが会場全体に 広がっているため、女の子たちは恐怖におびえていた。  そして、第一の関門が始まろうとしていた。 それでは、がんばっていきましょう。いくぞーーっ!! 「オーーーーーッ!!」


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