夏休み特別企画 「女子高生限定 ”ビキニdeアスレチック”」 第4話


チャレンジャー 夏目 智香

 私は、「腕力アスレチック」のコースを選びました。やはり同じように、高さ5mはあろうという高所のスタート地点に立ち
ピンク色のビキニに白いオーバーニーという格好でスタンバイしました。
 上からは、鉄棒やうんてい、そしてロープと腕力を必要とする関門が数多く設置されています。
 『それでは、スタートです!制限時間はありません。最後まで渡りきればクリアです』

 私は、最初の関門、水上うんていをつかみながら渡り始めました。うんていの下は、ただプールが広がっています。さっきまで
人で溢れかえっていたプールが、誰もいない状態で不気味に広がっています。距離は10mほどですが、女の子の私にとって、
腕力がかなり必要となった関門となりました。

 「よし、なんとかクリア!」
私は、うんていを難なくクリアし、休憩エリアで腕を休めました。
 すると、次は上から1本の物干し竿のようなものが横に降りてきました。今度は、このただの一本の棒を渡る関門のようです。
 私は、この棒にぶら下がり、横へと進んでいきます。慎重に、腕力の疲れと戦いながら、なんとかこの関門もクリアしました。
 「よし、いける!あと2つ!」
 そう、意外にも簡単に進むことができてしまったのです。
 3つ目の関門は、上から下がったつり革のようなリング10個をつかみながら、渡っていくというものでした。
 私は、体を振り子のように振りながら、一つずつ確実につかんで進んでいきます。しかし・・・まん中の5つ目のリングをつかんだとき、
次のリングへ渡るタイミングを逃してしまい、空中でぶら下がってしまう格好となりました。このままでは体力が持たない!

 私は、なんとか進もうと、力を振り絞って足をばたつかせながら何とか渡っていきました。もがきながら、必死にわたっていきます。

 『あーっと、智香ちゃん、がんばっています!ここで落ちてしまったらもったいない!あとちょっとだ!』
 あと一つ・・・最後のリングに手を伸ばします。
 ガシッ!

 なんとか掴み取り、最後の休憩ゾーンへたどり着きました。
 腕力にはすでに限界がきており、あとは握力との戦いになって来ました。
 最後の関門は、空中階段です。その名のとおり、階段が水上10mの高所に設置されているのですが、その階段の裏側を手で登っていくと
いう、女の子にはかなりの難関となってしまいました。

 私は、一段目に手をかけて、確実に登っていくことにしました。段は全部で6段。一つ登るごとに、腕に大きく負担がかかります。
 『さあ、高校3年生、夏目智香ちゃんが、ピンクのビキニに身を包んで空中を渡っていきます』
 私の下には、冷たいプールが広がっています。美奈子ちゃんが落ちてしまったプールの上を、確実に進んでいきます。
 3段目、4段目、そしてついに5段目まで到達しました。あと1段でゴールというところまで着きました。

 最後の1段は鉄棒になっており、振り子のように体を振ってから飛び移らないといけないことになっていました。私は最後の力を振り絞って、
体を振り子のように振りながら、鉄棒に向かってジャンプしました。
 
 しかし・・・
 鉄棒は無常にもブランコのようにぶれ、私の手をかすめてしまったのです。
 「しまった!」
 私の体は宙に浮き、すでに手遅れでした。私は決死のジャンプむなしく、ただ宙をあられもない格好で舞い、10m下の冷たいプールへと
転落していきました。

 「い、いやああああぁぁぁっ!」

 ドッバーーーーーーァァァァン!!

 もう少し、あと少し慎重に飛んでいれば・・・

 プールに落ちると同時に、私のビキニは水に溶け、ニーソックス以外は全裸の状態で水中に沈んでいきました。
 私の左右から、ダイバーが体を押さえつけ、恥部にバイブを水中で無理矢理押し込まれ、両手は縛られてクレーンで吊るされてしまいました。
 ウィィィン・・・

 「智香ーーーっ!」
 会場に響く仲間の声・・・
 私はゴール直前で夢とともに水の泡になって消えてしまいました。


つづく