第1話


2006年夏、私たちの高校に、あるテレビ局がたずねてきた。 ちょうど文化祭の準備で全校生徒が盛り上がっている中、突然の来客だった。 どうやら、学園祭を撮影したいということであったが、賞金がかかった番組として収録するということであった。 この話は学校を直接通さず、生徒会を通しての依頼であり、生徒会長は学校の宣伝を兼ね、快諾した。 この番組は、各学校5名が参加し、毎週1校ずつピックアップして放送するものだった。 この番組に参加する有志を募集し、5名の参加者がそろった。 収録は、土曜日の夜、学校のプールで行うこととなっていた。 土曜日の昼間から、テレビ局スタッフが集まり、プールにセットを作り上げていった。 私たちは、収録前に説明会にて説明を聞いていた。 それは、以下のようなことであった。 「みなさんには、この水上サバイバルに参加していただきます。ルールは、5人が学校の代表として参加します。 プールにこちらで関門を作らせていただきました。これらの難関に挑み、賞金を目指していただきます。 しかし、プールには水ではなく特製生クリームで満たされています」 そして説明は続いた 「プール上に仕掛けられたこれらの関門に失敗すると、必ず転落してしまうことになっています。プールに 落ちてしまった選手は、その時点で失格です。チームは残った人数で挑んでいき、一人でもゴールにたどり 着けばその学校は成功となります」 「ゴールにたどり着けずに、5人が失格となり全滅になってしまうと、その学校は失敗となり、賞金は0です。」 私の名前は、宇田川 安奈。この女子高に通う2年生の17歳。チアリーディング部に所属している。 この説明会で、私は衝撃的な番組であることを知った。全滅してしまった時点で賞金はもらえないことは了解 したが、服装はスクール水着を着用、下着の着用は不可ということであった。着用するものは、すでに渡されていた。 SSサイズの紺のハイレグスクール水着、危険を防止する膝当て、そして5人それぞれ違うソックスと運動靴であった。 これでは、プールに落ちてしまったときにとんでもないことになってしまうに違いなかった。 しかし、これがテレビ局の狙いであったのだった。 そして収録の夜がやってきた。 私たちは、更衣室でスクール水着に着替え、プールへと集合した。 プールサイドには、テレビ局関係者以外は完全に立ち入り禁止となり、この現場は完全に外部からは遮断された。 「さあ、はじまりました。全国女子高生スーパーチャレンジ!第2回の今晩は、名門、私立愛川女子高等学校です。」 ナレーションの声が聞こえてくる。私たちの学校のプールは屋外にあり、照明は全くなく、カメラ用の小さな照明 だけであった。 「それでは、挑戦者の5人に登場してもらいましょう!」 私たち5人は、カメラの前へ進んでいった。 「さあ、かわいらしい女子高生5名が、ハイレグのスクール水着で勢ぞろいです。どんな戦いを見せてくれるのか、 楽しみですねぇ。それでは、早速ですが、ルールの説明です。」 ルールは、毎週5人の女子高生がゲームに挑戦していきます。競技はすべて特製のクリームプールで行われます。 見事成功すると、賞金が手に入ります。しかし、クリームプールに落ちてしまったところでその女の子はアウトと なり、終了です。ゴールするか、全員が失格になってしまった時点で、ゲーム終了です。 「それでは、今週のゲームは、これです!」 その声とともに、プールに照明が点った! プールには、2本のロープが渡されていた。 「第2回は、『水上開脚ロープ渡り』です!」 ルールは簡単、水上50mに渡されたプール上5mのロープを渡り切ってもらいます。ロープは綱引きに使われる 太いものを使用し、2本の幅は50センチからスタートです。 しかし最後はなんと幅1mという幅まで広くなっていきます。 そして第1回と同様で途中チェックポイントがあり、浮島になっています。そこでは時間内にミッションをクリア しなければ先に進めません。見事ゴールまでたどり着ければクリアです。 「それでは、スタート地点へどうぞ。最初のチャレンジャーは、宇田川 安奈ちゃん 17歳です」 あー、緊張してきたよー。私は、小さい水着を気にしながら、プールサイドからスタート地点へ上っていった。 サイズが小さいから、おしりがはみ出して、恥ずかしい・・・ 私は白いバレーハイソックスをひざ上まで伸ばし、バレーシューズの紐を結びなおした。 それでは、スタートです!ロープ渡りには制限時間はありません。がんばって! そして、私の戦いは始まった! (続)


第2話へ